【プラグイン編】2024年買って良かったモノ【Best Buy7選】

プラグイン








今年買って良かったプラグイン7選!

2024年は例年以上に多くのプラグインを購入した年でした。
特にAI技術を搭載したプラグインには技術の大きな進歩を感じさせるものが多く、印象に残る一年でした。
2024年に僕が購入した中で、特におすすめしたいプラグインを7つ厳選してご紹介します!
※リリースが古い製品もありますのでご了承ください。

1. Techivation “M-Blender”

総評:★★★☆☆

特徴

TechivationのM-Blenderはトラック間で競合する周波数を整理し、ミックスに空間を生み出します。本格的なスペクトル処理を使用してサイドチェイン信号のために動的にスペースを確保し、周波数マスキングを防ぎます。その結果、わずかな手間で驚くほどクリアなミックスを実現できます。

使用感

例えば、ドラムのキックをもっと前に出したい時、周波数が被りがちな楽器(ベースなど)にM-Blenderを挿入しキックをサイドチェインにアサイン。これだけでキックの信号を察知し帯域のスペースを作り出してくれます。
僕の場合、歌ってみたMIXのオケに必ず使用しています。ボーカルをサイドチェインにアサインすることで適度にボーカルが前に出てくれるので調整がとても楽になりました。
さらに掛かり方も過度ではなく穏やか~にほんのりと掛かる印象です。
例えるなら、「味の素」のように、ほんのりと旨味を引き出してくれるイメージです(?)

ポイント

・負担はかなり軽い。
・センシビティで調整できるが過度に掛ける場合は向いて無いかも。
・セール頻度も高く、ほぼ半額で購入可。

2. iZotope “RX11”

総評:★★★☆☆

特徴

iZotopeの定番ノイズリダクションシリーズの最新作RX 11では、機械学習アルゴリズムを強化する最先端のニューラルネットワークを新たに導入。Dialogue Isolateのリアルタイム低レイテンシー処理、過去最高のMusic Rebalanceステム分離クオリティ、Repair Assistantのインテリジェンスそしてスピード向上を実現しました。また、業界初のLoudness Optimize(ラウドネス最適化ツール)を新しいストリーミングプレビューに追加。シームレスなワークフローを実現するARA処理の大幅なアップグレードも達成しました

使用感

ノイズ処理ソフトの中でもかなり有名なRXシリーズ。今年11が発売されましたが僕は9からのアップグレードです。正直、操作性、特別にすごく処理能力がアップした!という印象はありません。
Dialogue Isolateの視認性、操作性が上がり手軽に処理が出来るようになった印象です。

個人的に目玉だったのはARA対応した事です!(ネットでは全く盛り上がてなかった)
ノイズ処理後にMIXをしていると案外気になる箇所が出てくるんですよね。今まではいちいちスタンドアローン版を立ち上げたり、個々のRXプラグインを挿したりとちょっと面倒くさかったのですが、ARA統合した事によりMIX作業中にシームレスに処理できて最高です。
ただARA版は使用できる操作が少ないのでどうにか頑張ってアプデしていって欲しいですね。

ポイント

・ボーカルのノイズ処理と言ったらコレ。
・RX単体のプラグインはかなり重いので先ずはスタンドアローン版での処理がオススメ。
・ARA版は便利だが使用できる内部プラグインがかなり少ない。
・価格は3種類あるが上位版はかなり高い(Standerdで充分かと)

3. oeksound “soothe2”

総評:★★★★★

特徴

soothe2は、過剰な共鳴を瞬時に抑えてくれるだけでなく、音質を損なうことなくナチュラルな音作りをサポートしてくれるところが非常に魅力的です。特にボーカルやアコースティック楽器において、耳障りな高域を取り除きつつ、音の鮮明さを維持できるのが大きなポイント。これにより、全体のミックスがすっきりとした印象に仕上がります。

使用感

発売されてから結構経ってますがやっと購入しました。とりあえず「すみません、もっと早く買うべきでした…」と土下座したくなる製品。
今まで飛び出すぎた帯域をEQやマルチバンドコンプのオートメーションでこねくり回して何とかしてたのですが、これを挿すだけで解決します。
耳障りな帯域を持ち上げてあげると、突出している帯域を判断しオートでカットしてくれます。
また、サイドチェインを利用して単体楽器のアンマスク的な使用も可能。
類似したプラグインはいくつかあるのですが、今のところコレが一番視認性抜群、不自然さも無く最高です。

ポイント

・ボーカル問わずどんな楽器にも使える。
・最高の時短プラグイン。
・負担も軽くもなく重くもない印象。
・価格は若干高めだがrent-to-own(月々払い)も可能。

4. FabFilter “Pro-Q 4”

総評:★★★☆☆

特徴

FabFilterのPro-Q 4は、ダイナミックEQが新たに搭載され、特定の周波数帯域が動的に変化するトラックに対して適切に反応することができます。EQ設定後の音量を自動で補正できるため、再調整の手間が省けます。EQスケッチモード、インスタンスリスト、キャラクターモードも追加されより直感的かつ効率的な操作が可能になりました。

使用感

言わずと知れたEQプラグイン、Pro-Qシリーズの最新版がリリースされました。
使用感、操作方法などはQ3をそのまま引き継いでおり、特に困る事はありませんでした。

そして今回の目玉機能。Spectral dynamics(スペクトラル・ダイナミクス)
先ほど紹介したsoothe2の機能がPro-Q4に備わった感じですね。
これにより今までピンポイントでカットしたりする作業も不必要になったわけです。
ただ個人的な話ですが、これでsoothe2が要らなくなると思いきや使い勝手はまだsoothe2の方が痒いところに手が届く印象でした。
リリースされて間もないこともあり、まだ僕自身が使いこなせていないので今後の期待を込めて★3つとさせていただきました。来年はもっとバリバリ使いこなしてみます!

ポイント

・かなり使いやすく視認性抜群のEQ
・とにかく軽いので各トラックに挿したくなる(実際に挿してる)
・Spectral dynamicsの為だけにでも買う価値アリ。
・価格は若干高め。Fabfilterプラグインを多く持っているほど割引される。

5. DMG AUDIO “MULTIPLICITY”

総評:★★★★☆

特徴

DMG AUDIO社のマスタリング用マルチバンドコンプレッサー「MULTIPLICITY」。
マルチバンド圧縮、エクスパンド、ゲーティング、ダイナミックEQなど、多彩な機能を備えています。信号の修復から強化まで、Multiplicityを使用することで他の手法では実現が難しい高度な制御が可能です。

使用感

今までマルチバンドコンプは『Fabfilter MB-Pro』一択だったのですが、SNSでMULTIPLICITYの存在を知りデモってみて感動しました。
こちらもリリースされてからそこそこ経っているプラグインです。GUIを見てもらえば分かるのですが、めちゃくちゃ細かく設定できます。
そして音がすごく良い。“音が良い”という表現が正しいかわかりませんが、マルチバンド特有の違和感、行き過ぎた設定で破綻した感じが全く出ない。そしてカットだけでなく、帯域を持ち上げても驚くほどクリアー。むしろ気持ち良いのでガンガン上げ過ぎてしまうくらい。
そんな魅力的で謎の多いプラグインです。あとめちゃくちゃ重いのでマスター用として使用しています。

ポイント

・とにかく『音』が気持ち良い。
・かなり細かい調整が必要なので、ある程度慣れないと使いこなせない(僕はまだ使いこなせてません)
・とにかく重いので気軽には挿せない。
・価格はかなり高めの3万円オーバー。セールもありません。

6. Dreamtonics “Vocoflex”

総評:★★★★☆

特徴

Vocoflexは、Dreamtonicsの音声モーフィング技術研究により生まれた、自由自在に新しい歌声を作り出すことができるソフトウェアです。
10秒程度の音声ファイルをインポートする、または性別やトーンを指定するとランダムに新しい歌声が作り出されます。直感的なインターフェースを実現するため、歌声は曲線やドットで描かれ、ライトを照らすイメージでカーソルを操作すると歌声がブレンドされます。

使用感

エフェクトではなく音声そのものをラーニングさせ別の音声に変えてしまう驚きのプラグインです。
僕の使用用途としては、主に歌ってみたMIXのハモリやコーラス生成に使っています。
メロダインなどのピッチ補正ソフトだけで生成すると機械的な感じが残ってしまうので、その上からVocoflexを使いできるだけ自然なハモリやコーラスを作っています。
音声をインポートする以外にも多くのプリセットが備わっているので、バリエーションも非常に豊富です。

ポイント

・音声インポートするだけで同じ音声に変換。
・2つ以上の音声を混ぜて使用する事も可能。
・若干、発音に違和感が出る箇所がある。
・価格は3万円オーバーなのと、購入時に身分証が必要。

7. Synthesizer V “宮舞モカ”

総評:★★★★☆

特徴

次世代の歌声合成エンジンであるSynthesizer Vの中でも、宮舞モカは特に人間らしい表現力と力強いロック寄りな声質が特徴です。他のボーカル合成ソフトと比較して、滑らかなビブラートや抑揚の付け方が圧倒的にリアルで、感情表現の自由度が高いのが大きな強みです。歌詞やメロディの入力だけでなく、細かなニュアンスまでコントロールできるため、仮歌やクリエイティブな作業に欠かせません。

使用感

Synthesizer Vはとにかくリアルなボーカルを生成してくれるので、仮歌デモなどでは非常に重宝していますが、まさかのさらに上を行くクオリティのボーカルライブラリが追加されました。(SNSでもかなり話題になっていましたね。)
宮舞モカはロックボーカル向けのライブラリですが設定次第で非常に多彩な歌唱が可能です。
自分が感じたのは、他のライブラリに比べて歌唱パラメータのニュアンスがしっかりと表現されている印象でした。作った楽曲を生き生きと歌ってくれるので、来年も使用頻度はかなり高くなりそうです。

ポイント

・人間が歌ったのかと疑いたくなるようなクオリティ。
・女性ロック曲はこれさえあればOK。
・価格は8000円ほど。DLsiteでクーポン使用するとかなり安く購入可能です。

まとめ

自分はそこそこ長くDTMをやってきたつもりでしたが、2024年は本当に驚きの多いプラグインが多数発売された年でした。
冒頭でも言いましたが、AI技術の飛躍的な進歩のおかげで時短に繋がるプラグインが増えた印象です。

2025年も恐ろしいほどすごいプラグインが登場することを期待しています!

ひろろん
それでは、皆さん良いお年を!!

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