終わらない『有償VS無償戦争』5年間ミックス師をやった僕が「有償」にした理由

コラム








どうも、ひろ★ろん(@sxm_inc_hiro)です。

僕は自分から「ミックス師」とは名乗りたくないのですが今回だけそう名乗っておきます。

「お手伝い程度」で始めた歌ってみたのミックスも気づけば5年目に突入しました。

最初はもちろんお金なんて取れるレベルではなかったので無償。

しかし去年、いろいろあって

 

 

有償化!!

 

様々な理由や、他の方の意見もありますが、
今回はミックスの『有償、無償』というちょっとディープな話題を記事にしたいと思います。

 

有償、無償について周囲の考え

ちょっとTwitterで調べてみたらやはり意見はバラバラでした。

 

 

以前からこの「有償VS無償」戦争は度々勃発していました。
確かに趣味なのに投資するのに疑問を抱く人もいらっしゃいます。そもそもミックスエンジニアのプロでも無いのになんでお金取るのか、と。

うんうん、間違ってないしそう思います。

もちろん無償で受けてくれる方だってまだまだたくさんいらっしゃいますからね。
みんなお金を掛けずにいいモノが完成できたら一番いいですよね。

 

様々な意見が飛び交いますが、

では何故僕が有償にしたのかと言うとこんな感じです。

 

実質、作業行程が『修正7割』

 

最近のプラグイン技術は進歩して、ソフトでカンタンにピッチ修正が行えるようになりました
こちらの記事でも修正ソフト「Melodyne」について触れています。

[MELODYNE]自由自在!ボーカルピッチ修正と『しゃくり』について

 

今の時代、どんなに上手いプロの方でも修正はします。
それはちゃんとした商品としてパッケージングする為の工程、

例えると『どんなに美人でも正装やビジネスマナーの為にナチュラルメイクで清楚に見せるなければいけないシーンがある』
のに少し似ているのかも。

もちろん僕が依頼を受けた時、どんなに上手い方でもピッチ修正は行っています。
それは100%ちゃんとした作品にしたいからという理由もあります。

そういう意地もあるかもしれませんが、実際「ミックス作業の中にはピッチ修正必須」みたいになりつつあります。

 

え、それってミックス師じゃなくてピッチ修正師じゃん!?

 

という意見もあるかもしれませんが、ひとくくりにされてるのが現状。
まあ先ほども言ったようにミックス師の方も自分が作品に携わる以上、最高のクオリティで恥じぬ作品にしたいという意思もあると思います。僕もそうです。

 

最初に書いた「修正7割」と言うと

ピッチ修正を実際やったことある方なら分かると思いますがかなかな骨の折れる作業で、メインボーカルを1からピッチ修正、更にタイミング修正、メインが終わったらハモリ、コーラス修正。
もうこれだけで1日費やす場合もあります。

依頼される方の中にはメインボーカルからハモリ生成してほしいと言う方もいます。
その場合はメインボーカルを複製してさらにピッチを3音、又は5音ほど上下させます。

ハモリが苦手な方の場合はこうやってハモリ生成した方がオケにかっちりハマる場合もありますね。

 

この工程を終了してやっと本来のミックス師と名乗れる「ミックス作業」がスタートする訳です。

 

やはり時間をかける以上、マネタイズしたい

これは僕の考えですが、どんなに大なり小なり時間を使う作業であればお金にしたいのが本音です。

実際、僕の場合は本職は作曲の方なのでミックス作業の時間があれば数曲書いてマネタイズしたい。
フリーターが持っている時間をアルバイトで自給換算されるのと同じです。

時間を削って作業をする以上対価が欲しい。

 

実際、意識のズレが大きい

大半の歌い手の方は趣味でやっている方が殆どだと思います。本職や仕事があり空いた時間で録音しそれをニコニコやToutubeに気軽にアップして楽しみたい。
趣味で楽しむ程度なのでお金は払いたくない。という意見があると思います。

しかしミックス、クリエイターの方は僕の様に作曲や音響関係、バンドなどが本職で稼いでる方が結構います。
ライブだったりイベント、別の依頼で収益がある訳です。
更にDTMで作業していくと、高価なプラグインや機材へ投資しちゃいますよね。

そんな本気で投資、音楽利益があるのに無償で受けるのはどうなんだと感じるわけです。

 

それが意識のズレです。

 

これはどうしても仕方ないことだと思います。
「時間を大事にしたいミックス師」VS「趣味で終わらせたい歌い手」のバトルマッチは終わりません。

 

超極論の「平和の呪文」

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それは、バルス…ではなく

 

「楽しみ方は人それぞれじゃね?」

 

コレに尽きます。楽しみ方は人それぞれ考えがあり、お金が発生する仕事として考える方、逆に無償で楽しみたい方。
プランはいくらでもあるからそこから選べ!って事ですね。

なので僕の場合は「有償で最高のクオリティを提供したい!」という一つのプランとして見て欲しいですね。

 

さいごに『何でも無料の世の中が変わってほしい』

これはミックス作業についてだけでなく、「何でも無料!」みたいな考えが当たり前になっている現代だからこそ言えます。
音楽を聴くにも、ライブ映像や映画を観るにも無料!最近なんかはマクドナルドのコーヒーも無料提供されてるみたいですね(コレについては客寄せや広告的なモノなので別か)

『無料』の中にはたくさんの人の汗と苦労の物語がある。ってことをもっと理解してくれる方が増えたらクリエイターがもっと居心地がいい世界になるかも知れませんね。

 

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